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阿波のような愛だった

日々の阿波を綴ります

何かの間違いで

1月16日月曜日

5時に起きて、6時45分から仕事。午前中、雹が降った。20時に仕事を終えて、20時半に帰宅。

会社からの帰り道では絶対にサイダーが飲みたくなる。サイダーっていうか炭酸なら何でもいいんだけど。私、帰る途中で必ずコンビニに寄って、何らかの炭酸の500mlペットボトルを二本買ってしまうんです。

ええ、そうなんです。今日は書くことがないんです。

 

今日はアルバムを聞く時間が取れそうになかったので、一曲だけ聞く。Migosの"Bad and Boujee"(2016)。リル・ウージー・ヴァートの発声とフロウに、ゆるふわギャングのSophieeを思う。

 

1月17日火曜日

仕事中に物を壊してしまった。代わりの物を用意しようと、慌ててホームセンターに来た。店内に目当ての物を見つけ、ほっとしながらも足早にレジに向かう途中、店内で掛かっていたオルゴールの曲が耳についた。レジに並びながら旋律を耳で追うと、その曲は果たして、aikoの"恋をしたのは"だった。

こころがぐらぐらしている時に、誰かの粋な計らいで、どこにあるかも分からないスピーカーから、私の好きな曲が流れてくる、ということは今まで何度かあって、パッと思い出せるだけでも、初めて親知らずを抜いた時に歯医者の待合で荒井由実が流れていた、とか、長く勤めた郵便局を辞めた時に寄った駅の中のカフェでエリスとトンの"三月の水"が流れていた、というものがある。耳が奪われたその一瞬で、すとんと落ち着いたりするので、どこのどなたか存じませんが、選曲されたDJさんには感謝しております。

 

18時半に仕事が終わったので、ゆっくり音楽を聞く。今日はThe xxの"I See You"(2017)。Jamie xxは聞いたことあってもThe xxは初めて聞く。イントロがリアーナの"Woo"を思わせるハウス"Dangerous"からスタート。デビューして8年目の3作目、新しいスタンダードになって欲しいと思わせるポップスを次々繰り出しながらも、その曲に青臭さが残っているのが素晴らしい。バンドにこだわってるように聞こえる(どの曲もギターとベースが鳴っている)せいなのか、ロミーとオリヴァーがデュエットするせいなのか、声のサンプルが記憶を刺激するように鳴るからなのか、最近の写真も三人仲良さそうだからなのかは分からないけど、とにかく青春の匂いがする。バンドはやっぱりいい。私は今むしろバンドには可能性がある気がしている。どう生演奏したら面白いかなどと考えてるバンドは大抵見てて楽しい。日本のバンドはほとんど解散してもいいと思うんですけどね。話が逸れちゃった。"I See You"、とてもいいアルバムだった。

そういえば、ロクなことが無かった先週末、車の中ではずっとこのアルバムが掛かっていた。窓の外にちらつく雪とこのアルバムはとても良く合った。特に日曜日の帰り道では、音楽と雪に集中してこころを落ち着けるように努めていた。どんなに素敵な音楽がかかっていようと、その隙間を縫って、こころがふわふわとどこかへ飛んでってしまうこともある。それは音楽に力がないとかいう話ではなく、なんというか、まあ私が悪いのだ。

 

1月18日水曜日

6時に起きて、8時から仕事。最近なんだかずっと眠い。今日は途中から自分で運転して現場に行ったのだけど、作業を終えて会社に戻っている時がとても眠かった。夕暮れの吉野川はとても綺麗だった。それでも眠かった。走っていた土手から落ちそうになった。

 

18時半に帰ってきたのだけど、もうどうにかなりそうに眠いので、早めに休もうと思う。誰もがよく知っているように、眠ると明日になってしまう。そのことが言いようもなく悲しい。

 

1月19日木曜日

今日は精神病棟で仕事だった。これまでにも、精神科や精神病院では何度か仕事をしたことがあって、色々な病院、病棟、病室があるのだけど、今日入ったお部屋には檻に囲まれたベッドがあって、その中で患者さんが眠っていた。

精神病院に来るたび、私はその患者さん達に親しみを覚える。患者さんがうずくまっていたり、不意に叫んだり、物をガンガン叩いたりするのを目にすると、気持ちがよく分かるような気がする。もちろん、患者さん達はそれぞれ大変な疾患があったりすると思うので、簡単にその気持ちが分かるなどと言うべきではないのかもしれないけど、患者さん達を見ていると他人とは思えないと感じる時さえある。

私も、自分のものの感じ方がおかしいのではないかと思う時があるし、動きも時々ぎこちなくなる。檻の中のベッドに横たわる患者さんと目が合った時に、私も一歩間違えたら、この檻の中のベッドの上にいたのかもしれない、と思ったのだが、そこでふと、いやむしろ、私はこの檻の中のベッドに横たわっているべき人間なのに、何かの間違いで、檻の外で暮らしているのではないか、と思った。しかるべき機関で検査をしたならば、私は当然檻の中のベッドで、その四隅にガンガン頭をぶつけたり、出血をしたり、それを看護師に手当てしてもらって一日を終えるべき人間なのに、何かの間違いで、こうして檻の外にいる、と…いや、やめよう。言葉にしたことは、真実になることがあるから、こんなことは言うべきではないということはわかってる。でも、思っちゃったんだからしょうがない。

 アフロのカツラを被って、フォークギターを抱えた、派手な格好のおじさんが、女の人と病室を回って歌を歌っていた。ボランティアか何かだろうか。ギターを弾きながら"サボテンの花"や"酒と泪と男と女"を歌っていたのだが、それに患者さんの「ギャー」とか「ウワー」とか叫ぶ声が時々混ざるので、途中からそういうトンがった音楽のように聞こえてきて楽しかった。

 

家に帰ると、とたんに何もする気が起きなくなってしまい、何かしなくちゃ何でもいいから、と思って始めたのが、日記を書くことだった。

 

1月20日金曜日

6時半に起きて、8時から仕事。お昼は釜玉うどんを食べた。おいしかった…。ちなみに昨日のお昼はかけうどんだった。毎日うどんで構わない、昼は。

 

18時に仕事を終えて、19時前に家に着く。神様という言葉を折り込んだおまじない、いつもは仕事中に口をついて出るのだけど、珍しくお風呂に入る前に出た。今日は「神様が100人いるとして、私の味方はひとりいるのか」だった。何もせずにぼんやりして、寝る時間に。

 

1月21日土曜日

5時に起きて、7時過ぎから仕事。休日出勤。今日の現場は大変だと聞いていたのだけど、割とトントン進んで、定時に上がる。

 

木曜日に、前の職場の先輩のSさんから、同じく先輩のTさんと私の3人で飲みに行こうに誘われていて、それが今日、土曜日の20時半からだったのだけど、仕事が終わるのきっと遅いから行けないと思う、と返していた。仕事が定時に終わったので行こうと思った。汽車で行こうと思ったのだけど、時間が合わなくて車で行く。なんとなく落ち着かなくて、運転しながらつちださんに電話する。楽しいひととき。風邪。ゼーカー。ゼーカーの仲。ゼーと言ったらカー。「ゼー」「カー!カー!カー!」怖い!という話など。

 

駅前のコンビニの前で待ち合わせ。結局みんな揃ったのは9時。Tさんは五つ上の男のひと。Sさんは同い年の女のひと。Tさんは私の前の職場にまだ籍を置いているが、Sさんはもう辞めている。お鍋や鳥料理をつつきながら、前の職場のあれこれや、今の職場のあれこれについて楽しく話す。私は車で来ているし、Tさんは駅前にホテルをとっているから当然なのだけど、Sさんは汽車で帰るつもりなのに、全員が終電のことを忘れていて、時計の針はなにも告げずに、終電の時間を素通りし、やがて0時を指すのだった。

 

1月22日日曜日

二件目はチェーンの居酒屋で、その後にカラオケに行ってみんなで少し仮眠してから帰ろうということになった。

カラオケのソファーに横になって眠り、目を開けると、Sさんの頭がすぐ隣にあった。なんとなく頭を人差し指でつついてみる。Sさんは目を覚ますが、すぐまた眼を瞑る。二件目の居酒屋で、Sさんが頭を撫でられるのが好きって言ってたのを思い出す。「頭撫でたら怒る?」Sさんは頷いたが、構わず撫でる。完全に起きてしまったSさんの手を見て、「手、小さい」と言いつつ、手のひらを合わせてみたり、指を握ったりした。

カラオケを出る時間になったので、Tさんを起こして、お会計をして、駅の方へと向かった。朝日が照らす雲と川が赤く染められて綺麗だった。

おとなしく家に帰ったら、もう日曜日は9時になっていて、このまま起きていなくてはいけなかったのだけど、すっかり眠ってしまって、目覚めたら日曜日はすでに17時になっていた。待ち遠しかった日曜日はいつも阿波のように瞬く間に消えてしまう。おぼろげな記憶さえ残さないまま。